【体験記】ライブハウススタッフの壮絶な職場環境【3ヵ月で退職】

どうもぐっさんです。

最近自分の経歴を振り返る機会があり
そういえばライブハウスで働いていたなぁと懐かしい思い出に浸りました。

ライブハウスで働いた期間は3ヵ月という短い期間でしたが
かつてなく心が折れ、トラウマを残す経験となったので
今回は思い出を振り返りながら紹介していきます!

目次

ライブハウスで働いたきっかけ

私はご存じの通り音楽オタクです。
今のご時世になる前は、ライブに行くことが生きがいでした。

となってくると浅はかな脳みそがこう問いかけます
「ライブハウスで働けばタダで見れるんじゃね?」
はい。この天使悪魔のささやきによりライブハウススタッフという地獄の扉を開くこととなりました。

思い立ってからは即行動。
目的のライブハウスのHPを見たところ
随時スタッフを募集している様子

速攻、電話しました。
翌週に面接のアポがとれ高揚感で胸が高鳴り
原付をかっ飛ばしながら歌っていたのを覚えています。

ライブハウスタッフの面接

待ちに待った面接の当日
当然バックステージに通される訳で、、、
しがないバンドマンだった自分はそれだけで絶頂寸前でした。



事務所に通されオーナーと直接面接となりました。
驚いたのは、こっちは立ったままでの面接

見るからに威圧感のあるお方でめちゃくちゃ緊張したのを覚えています。
面接内容は「なぜライブハウスで働きたいの?」くらいで
「ライブが好きだからです。」という捻りもない回答をしました。


結果、翌週からの週末勤務を伝えられました。

採用に喜んでしまったのと、社会経験が無さ過ぎて
雇用条件について深く聞くことをしなかった自分を後日ぶん殴りたくなるわけです。

ライブハウススタッフの仕事

気になる仕事はというと
当然、PAや照明等の花形ではなく
掃除をメインとした雑用でした。

イベント当日の12時ごろから業務開始です。
だいだい開演6時間程前ですかね。

楽屋、ステージ、観客席、トイレ
外周辺を本気で掃除します。

あとはドリンク補充やバーカウンターの清掃。
開演後はチケットもぎりからのドリンク交換ラッシュ

ライブ終演後は開演前と逆回りで全館の掃除
バーカウンターの片づけからドリンクの売り上げ計算まであらゆる業務をこなしました。

しかもこれを基本一人でやります
ライブハウスは結構デカい箱なのでほんとに骨が折れました


そんなキツイ業務でしたが清掃中に聞こえてくるリハの音漏れや
出演者の方々を見るだけでライブハウススタッフという肩書に自己陶酔し
掃除すらも楽しく感じていたのを覚えています。

ライブハウスはタバコ臭く汚らしいイメージを持つ方がいらっしゃると思いますが
仕事の大半が掃除だったのは意外でした。

徐々に感じ始めた異変

オーナーは基本的にPA・照明時以外は事務所にずっといるのですが
たまにライブハウス内の巡回をしていました。


その際の威圧感が半端なく気さくに声がけをしてくれるなんてもっての外で
ただ目の前を通りすぎていくだけ。

挨拶をこちらからするだけで
会話をした覚えあまりありません。

ライブハウススタッフとして働き始めて
2日目頃、初めてバーカウンター業務の落とし込みを受けている際に
オーナーがふらりとやってきました。
そして一言、「さっきから返事だけは元気にしてるがなめてんのか」と急に怒鳴られました。

こっちとしては教えてもらっているのに
返事すらハキハキできない方がダメだと思うのですが
謝ってその場をしのぎました。

オーナーは相変わらずですが
打って変わってとても気さくな社員が二人おりました。
二人とも照明、PAを担当しており
今までのライブのことやバンドのことをいつも話してくれて
とても優しい方々でした。


ある日社員が交通事故に遭い
顔中に怪我をして、血だらけで出勤してきました。
それを知ったオーナーは特に心配する様子もなくそのまま去っていき
社員はそのまま働き始めました。

さすがにこれには自分もドン引きし通院を促しましたが
さらにとんでもエピソードを上塗りされ押し切られてしまいました。

そのエピソードとは、その社員の母親が亡くなった際
忌引きは利用できず当日だけ帰宅し、翌日から通常に働かされていたとのことでした。

さらに事務所からは頻繁にオーナーの社員に対する怒鳴り声が聞こえており
日に日にオーナーやべえ・・・・という思いが強くなりました。

ライブハウススタッフの過酷な労働環境

掃除が楽しいとは言え業務はとてもハードで
実働時間は約12時間に及び、もちろん休憩無しの重労働でした。

それだけならまだしも22時頃にはタイムカードを打刻させられ
明らかなサービス残業も当たり前でした。


打刻後に疲れてぼーっとしている時に
何度かオーナーから怒鳴られたことがあったのも
今となっては信じられないですね。



また、社員はさらに長い実働時間だったのにも関わらず
「手取り13万程しかないよ」と聞かされた時は驚愕しました。※もしかしたら総支給13万だったかも・・・
社員達は心からライブハウスを愛しているからこそやっていけてるのだと
自分のライブハウスへの憧れは浅はかなものだったと我に返りました。

更に私は、よくドリンクチケット(1枚当たり¥500)の計算が合わないことがあり
そのたびにオーナーに怒鳴られていました。

怒鳴られるだけならまだしも、「ちゃんと合わなかった分補填しとけよ」と
ポケットマネーでの補填を強制されていました。

当時から怒鳴るか払わせるかどっちかにせえやとは思っていましたが
今なら面と向かって言い放てそうです笑

ライブハウススタッフの給料

冒頭で雇用契約について聞いていなかったこともあり
初めて給料を貰った時は膝から崩れ落ちそうになりました。

給与明細には約4万円の文字。

月8日出勤(土日)×約12時間=実働約100時間 な訳ですが



単純計算でいくと時給400円程度ととなり絶望したのを覚えています。
たしか時給650円だか700円だかのはずでしたが
どういう計算だったのか聞くべきでしたね・・・。

音楽業界の闇

ライブハウススタッフとして働いたのは3ヵ月間だけでしたが
憧れの音楽業界に対する思いが瞬く間に薄れていくには十分な期間でした。

とにかくライブハウススタッフに対して
アーティスト側のスタッフからの当たりが強く
明らかに下に見られている感覚がいつもありました。


特に酷かったのはV系バンドの関係者。
顎で使われるのは当たり前。
少しでも意に反するものならば関係者同士で私を馬鹿にしてくることもありました。

また、アーティストにも感じの悪い方はゴロゴロいましたね。
音楽業界に対する熱がどんどん冷めていくのを実感していました。

ライブハウススタッフを辞めたきっかけ


オーナーからの圧や、関係者からの酷い扱いによって
どんどん憂鬱になりました。
ライブハウス近くのベンチに座りこみ、何度もバックレようかと自問自答を繰り返しました。


退職の文字が頭にちらつきだした頃、事件は起きました。

開演前の準備中に電話が鳴りました。
普段、電話は社員もしくはオーナーが出るのですが
誰も出ない状況が続いたため電話に出ました。

あるイベンターからのブッキング調整の電話で
自分は、空きスケジュールをまったく把握していないため
担当者名・ライブの希望日時・折り返し先を聞きました。
先方も時間を空けて折り返しをするとのことだったので
何も考えずにオーナーに内線で報告の電話をしました。

すると話を聞いたオーナーが大激怒。
「勝手なことをするな。
お前はわかりませんと言って電話を切るのが仕事だろ。」と

その後もキツイ言葉で怒鳴られた挙句電話を切られてしまいました。

あまりにも理不尽な出来事に頭の整理ができず
ただただ今までの不当な扱いをぐるぐると思い出すばかりでした。

勝手にブッキングを了承した等であれば
怒られるのも分かりますが、電話にでて折り返し先を聞くだけで
あそこまで怒鳴られるのか理解が全くできませんでした。

また、ライブハウススタッフとして働く背景に
ライブをタダで見れるんじゃないかという浅はかな期待がありましたが
オーナーがあまりにも厳しく
ライブを見ること、関係者と親しくすることを一切禁止されていたため
本当にただただ奴隷のように働くだけで
お客さんが出入りするときの一瞬の音漏れを聞くだけの毎日でした。

ここまでくれば
自分が憧れたライブハウススタッフに未練なんてものはありません。
意を決して退職意思を伝えました。

オーナーは意外と退職理由について深堀をしてきましたが
掛け持ちしていたゲーセンのバイトが忙しくなるという
嘘をついてかわしました。 数か月後そのゲーセンが閉店するのは笑いましたがw

ライブハウススタッフとして働き始めて3ヵ月。
こうして退職を迎えました。




ライブハウススタッフで良かった思い出

トラウマの日々を送ったライブハウススタッフとしての生活でしたが
悪かったことばかりではありません。

今も愛して止まないバンド、FACTが公演でやってきました。
当日、好きなバンドのライブの日にも関わらず
憂鬱すぎて例のベンチで自問自答を繰り広げている時
メンバーを何度もすれ違い本当に興奮しました。
声をかけてはいけないルールに従ってただ見るだけでしたが・・・


その日は一番大きなハコで、観客も多く
バーカウンターヘルプのスタッフの方がいました。
※こ基本事務的なことをされており大きなライブの時のみヘルプで来ていただけるかたでした。

余りにも普段と様子が違う自分に気づき
「このバンド好きなの?」と声をかけてくれました。

「めちゃめちゃ好きなんです。」と答えた私にその方は

「こそっと見ておいでよ!オーナーは忙しいから、今のうちだよ!」と

天使のささやきに従い、ライブハウススタッフとして初めて
観客席から一曲だけ演奏を聴きました。

ああ。この日のためにライブハウススタッフになったのだと
感慨にふけながらもオーナーにバレないか冷や冷やしながら
見たのを鮮明に覚えています。


ライブ終演後は自分が片づけ作業をしているバーカウンターを
FACTのメンバーが囲んで反省会をしており
ドラムのエイジさんからビールを頼まれたところで個人的に絶頂に達しました笑

しかしながらライブハウススタッフとしての良い思い出は後にも先にもこれっきりだけ
あとは苦痛の日々でしたね。


ライブハウススタッフになりたい方へ


体験記は以上となりますが
私の絶望の日々は極端だと思います。
ネガキャンばかりになってしまいましたが
ライブハウススタッフとしてもっとメリットを享受できる
ライブハウスは全国多いと思っています。

音楽業界のリアルに触れ
それでもライブハウスで働くことが好きな方は
自ずとPAや照明等の花形業務への道が開けるはずですし
自身がオーナーとなってライブハウスを開くこともできるかもしれません。

ご時世的に苦しい業界とはなりますが
人生においてなくてはならない業界だと強く思っています。

この記事を読んでもへこたれずに是非ライブハウススタッフとして活躍頂けることを期待しています。


P.S.

そのライブハウススタッフを辞めてから約3年程トラウマのせいで
ライブ観戦から身を引きましたが
今ではライブキッズに戻りましたw

FACT再結成してくんねーかな
伝説の一枚。必聴です。





それではグッドバイ

ぐっさん

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この記事を書いた人

サブカル強めのギャンカス清楚系
好きな役は四暗刻崩れの対々和
好きなスロットはケロット2
好きな騎手は幸英明
マイナーミュージックを啜って生きてます。どうぞよろしく

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