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10月4日(日)放送の大河ドラマ『豊臣兄弟!』第38回で、片岡鶴太郎さん演じる絵師・狩野永徳(かのう えいとく)が登場しました。放送をきっかけに「狩野永徳ってどんな人?」「作品はどこで見られる?」と気になった人も多いはずです。
先に結論です。狩野永徳は、織田信長と豊臣秀吉に仕えた安土桃山時代の絵師です。代表作の国宝『洛中洛外図屏風(上杉本)』は山形県の米沢市上杉博物館、国宝『唐獅子図屏風』は東京の皇居三の丸尚蔵館が所蔵しています。さらに2027年春には、京都国立博物館で狩野派の大規模な展覧会が予定されています。
この記事では、永徳の経歴と代表作、実物を見に行くときの注意点、ドラマのあとに読める本をまとめました。
『豊臣兄弟!』第38回と狩野永徳
NHKは9月26日、「大和郡山編」で秀長と関わる人々を演じる新キャストを発表しました。その中で、片岡鶴太郎さんが狩野派の絵師・狩野永徳を演じることが明らかになっています。
第38回「和を以(もっ)て、大和をなす」は、10月4日(日)夜8時からNHK総合で放送されました。番組情報によると、秀長が大和の郡山の城下町で商いを盛んにしようとする回です。
NHKの公式Xでは、第38回の「キーパーソン」として永徳を紹介し、「織田信長や豊臣秀吉に仕え、安土城や聚楽第、大坂城などの障壁画を描いた」と説明しています。劇中では、永徳が秀長たちに、一気に線を引ける筆を作ってくるよう求める場面があることも紹介されていました。
狩野永徳はどんな絵師?
狩野永徳は1543年に生まれ、1590年に亡くなりました。室町時代から続く絵師の一派・狩野派の家に生まれ、父は狩野松栄、祖父は狩野元信です。
コトバンクの解説によると、永徳は信長と秀吉に仕え、当時を代表する建物の装飾を手がけました。主な仕事は次のとおりです。
| 年 | 主な仕事 |
|---|---|
| 1566年 | 京都・大徳寺聚光院の障壁画(24歳) |
| 信長の時代 | 安土城の天守や御殿の障壁画 |
| 1585年 | 大坂城の障壁画 |
| 1587年 | 聚楽第の障壁画 |
金地に大きな松や獅子を描く、豪快で華やかな桃山時代の画風を作った絵師として知られています。ただし、安土城や聚楽第は建物が残っておらず、そこに描かれた障壁画も今は見ることができません。
狩野永徳の代表作と、どこで見られるか
永徳の作品として知られるものを3点紹介します。いずれも常に展示されているわけではないので、見に行く前に各館の公式サイトで展示予定を確かめてください。
国宝『洛中洛外図屏風(上杉本)』
京都の町と郊外の様子を、一対の屏風に描いた作品です。キヤノンの「綴プロジェクト」の解説によると、永徳が23歳のころの作品とされ、描かれた人物は一双で2485人にのぼります。
右隻には祇園祭と下京の町並み、左隻には上京の風景が描かれています。信長から上杉謙信に贈られたと伝わることで有名ですが、制作の経緯には諸説あります。所蔵しているのは山形県の米沢市上杉博物館です。原本の公開は期間が限られるため、訪ねる前に博物館の案内を確認しましょう。
国宝『唐獅子図屏風』
金地の上を、2頭の獅子が岩の間を歩く姿を描いた大きな屏風です。皇居三の丸尚蔵館の収蔵品ページによると、右隻が永徳の作品で、左隻は江戸時代に狩野常信が描き足したものです。
右隻の大きさは縦223.6cm、横451.8cmあります。1888年に毛利家から皇室に献上され、現在は東京・皇居東御苑にある皇居三の丸尚蔵館が所蔵しています。
『檜図屏風』
大きな檜の幹と枝を、画面いっぱいに描いた屏風です。コトバンクでは永徳の代表作の1つとして挙げられており、東京国立博物館が所蔵しています。
このほか、若いころの作品である大徳寺聚光院の『花鳥図』『琴棋書画図』も知られています。
2027年に京都国立博物館で「大狩野派」展
実物をまとめて見たい人に向けて、京都国立博物館が開館130周年記念の特別展「大狩野派」を予定しています。プレスリリースによると、会期は2部に分かれています。
| 会期 | 内容 |
|---|---|
| 第1部 2027年4月20日〜5月30日 | 室町〜桃山編 |
| 第2部 2027年6月8日〜7月19日 | 江戸〜明治編 |
会場は京都国立博物館の平成知新館で、狩野派の代表作約150件を紹介する予定です。1979年の東京国立博物館での展覧会以来、約半世紀ぶりの狩野派の大回顧展とされています。
プレスリリースには、国宝『洛中洛外図屏風(上杉本)』が掲載されています。ただし、展示期間は書かれていませんでした。行く予定の人は、今後発表される出品リストを確かめましょう。
狩野永徳をもっと知る本
ドラマで永徳が気になった人に向けて、小説・美術書・ドラマのガイドブックを紹介します。
洛中洛外画狂伝 狩野永徳(徳間文庫)
谷津矢車さんによる時代小説です。商品説明によると、将軍・足利義輝から「予の天下を描け」と頼まれた若き日の永徳が、『洛中洛外図屏風』に挑む物語です。上杉本がどう描かれたのかを、物語として味わえます。
花鳥の夢(文春文庫・Kindle版)
山本兼一さんが、永徳の生涯を描いた長編小説です。権力者の注文に応えながら新しい絵を切りひらいた天才画家の、苦しみと喜びが描かれています。ドラマで永徳の人柄が気になった人に向いています。
新潮日本美術文庫3 狩野永徳
永徳の作品を1冊にまとめた、93ページの小さな画集です。絵を実際に見ながら作品を知りたい人に向いています。1997年発行の本なので、在庫や中古の状態は購入前に確認してください。
豊臣兄弟! 完結編(NHK大河ドラマ・ガイド)
NHK出版のドラマ・ガイドの第3弾で、Amazonの商品ページでは10月8日発売予定です。全3冊のうちの完結編で、主演の仲野太賀さんと池松壮亮さんの対談などが載っています。ドラマの後半をより楽しみたい人向けです。
よくある疑問
Q. 狩野永徳と狩野探幽の違いは?
どちらも狩野派の絵師ですが、活躍した時代が違います。永徳は信長・秀吉の時代の桃山時代の絵師です。探幽は永徳の孫にあたり、江戸時代に徳川家に仕えた絵師です。
Q. 『唐獅子図屏風』はいつでも見られますか?
いつでも見られるわけではありません。皇居三の丸尚蔵館は展示替えを行うため、見に行く前に公式サイトで展示中かどうかを確かめてください。
Q. 『豊臣兄弟!』第38回を見逃したら?
NHKの番組ページで、再放送や配信の予定が案内されています。配信の期間は限られることがあるので、早めに確認しておくと安心です。
まとめ
狩野永徳は、信長と秀吉に仕え、安土城や大坂城、聚楽第の障壁画を手がけた桃山時代の絵師です。代表作の国宝『洛中洛外図屏風(上杉本)』は米沢市上杉博物館、国宝『唐獅子図屏風』は皇居三の丸尚蔵館、『檜図屏風』は東京国立博物館が所蔵しています。
どの作品も常に展示されているわけではないので、見に行く前に各館の展示予定を確かめましょう。2027年春からは、京都国立博物館で「大狩野派」展も予定されています。それまでは、小説や画集で永徳の絵と人生を知っておくと、展覧会をより楽しめます。

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